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イヤイヤ期を見続けて20年!? ベテラン保育士の対処法とは

イヤイヤ期の子どもが大勢で襲ってきたらいったいどうなる? どうすればいい?? 保育園や幼稚園ではいったいどう対処しているのでしょうか。0歳児から2歳児を預かる東京都内のとある保育園の園長にインタビュー。20年間のキャリアで築き上げたテクニックの数々を惜しみなく披露してくれました。

イヤイヤ期は自己主張開始時期

0歳~2歳児までの子どもたちを朝7時30分~19時まで預かるこの保育園では、イヤイヤ期真っただ中の子どもたちが多く集う場でもあります。「我が園では月齢に関係なく子どもを「ひとりの人間」として尊重しながら一つ一つ話し合って、一緒に考えるようにしています」と語る園長先生にイヤイヤ期の症状を聞きました。

―― 主だったイヤイヤ例を教えてください。

「大きく『なんでもイヤイヤ言う』『なんでも自分の思い通りにしたい』『自分でなんでもしたい』『物と人へのこだわり』『独占欲』に分けられます。でも、このイヤイヤは『自己』が子どもの中で芽生えた証拠。自立への第一歩なんです。あきらめずに付き合うことがとても重要です」

誰だって昔は子どもでした。そして、イヤイヤ期は多くの人が通ってきた道。根気強く向き合っていくしかないようです。

可能・不可能にかかわらず
子どもの気持ちを受け入れる

―― 向き合わなければならない自立への第一歩期と分かっていても、親の悩みは尽きません。園長先生に対応策を聞きました。どうしたらいいかわからないイヤイヤ、どうすればいいですか?

「子どもが『〇〇したい!』と言ってきた時は、できるできないにかかわらずまず「いいよ」とその気持ちを受けとめる。すると子どもは自分の主張を認めてもらえたと安心するんです。『ダメ』といった拒絶は御法度。『ダメ』を使うのは生命に関わる危険回避時だけです。その希望を叶えてあげられない場合は、『そうだね~』と受けとめた後に、できない理由を説明します。その際、代替案や先の見通しを伝えることが重要です。例えば「今は寝る時間だから起きたらしようね」とか、「危ないからそれはできないけれど、これならいいよ」とか。選択肢を与えて選ばせるのも有効です」

「そうだよね~」は魔法のキーワード。自分の主張が通ったことで子供は大人の想像以上の満足感を得るようです。

脅し・否定・交換条件・命令は使わない

―― 受けとめても、代替案や選択肢を提示してもイヤイヤが収まらない時は収まりません。そんな時はどうすればいいのでしょうか?

「子どもの気持ちが切り替わるような対応をしてみる。例えば『部屋の空気を入れ替える』『眠りを促す』『興味を他のものに向けてみる』『遊びに誘う』『水分を与える』などです。時には落ち着くまで放っておくほうが気持ちの整理をする時間ができて、気持ちを切り替えられる場合もあります。『お化けが出るよ~』『ダメ』『お菓子あげるから』『○○しなさい』といった脅し、否定、交換条件、命令は、園内では絶対にしないと決めています」

「だめ」といった強い否定は回避することができそうですが、お化けとお菓子の登場を控えるのはなかなかハードルが高そうです。でも、それくらい子どもを尊重することが大切なんですね。

関心を惹くためのイヤイヤには
毅然とした態度を貫く

―― さまざまなイヤイヤ例。悪いとわかっていながらわざとイヤイヤ言っていることもあります。そんな時はどうすればいいの?園長先生教えてください。

「過度な反応は厳禁です。関心を惹くことができたと誤学習して、同じことを繰り返す結果となります。あえて反応しない。もしくは、淡々と誤った行動であることを指摘することが大切です」

イヤイヤとわざとを見極める目も親には必要。その都度違った対応をしなければなりません。

こんな時どうする?
子どものイヤイヤ対応例

子どもはあらゆる角度からイヤイヤ攻撃を仕掛けてきます。園長先生に多発するイヤイヤ行動の対応策を聞きました。いつ何時も「ブレのない毅然とした態度」「けじめ。メリハリ」が大事なようです。

●ご飯で遊ぶ・水をわざとこぼす
「もうお腹いっぱいなのかな?」「ぐちゃぐちゃしたら悲しいな」「ごちそうさましようね」と言ってさっと切り上げる。もしその後食べたいと言った時は「今度はぐちゃぐちゃしないよ」と約束。それでも繰り返す場合はたとえ泣いても片付ける。

●「ご飯いらない」と食卓に来ない
遊んでいて席につこうとしない時は「食べないの?」と声をかけ、それでも食べないと言ったら食事は中止に。その後「食べたい」と言い出しても「さっきお話ししたからね」と伝える。たいてい席につかないときは空腹ではないことが多いです。ご飯はいつでも自由に食べられるものではなく、決められた時間に食べないと食べることができないことを伝えます。次の食事やおやつを多めにして補えば問題はありません。

●「寝たくない」と遊びだす
「寝ないと明日元気に遊べないよ。今は寝る時間だから、眠って起きたらいっぱい遊ぼう!」と言って、イヤイヤぐずっていても電気を消して一緒に寝てしまう。「起きたら(やりたかったこと、例えば絵本が読みたかったら)絵本読もうね」と約束し必ず起きたらその願いを叶えるようにすると自分の気持ちを聞いてもらえると納得するようになる。

●できるのに「やってやって」と甘える
何でも自分でできるようになると今度は赤ちゃん返りな時期が来ます。
「自分でできるでしょ」とほっとかず「いいよ」と受けとめ「ここだけ手伝ったらあとは自分でできるかな?」と少し手伝うとやる気が出て気が付くと自分で何でもするようになります。

「イヤイヤ期は子どもが成長するうえで必ず通る道。乗り越えた時、必ず精神的に大きくたくましくなります」と園長先生。長い目で見たら、子どもにとっても大人にとっても人生のとても短い期間。永遠に続くものではありません。時には友だちと悩みを共有したり、保育園・幼稚園の先生に相談してみる。とても有効的なイヤイヤ対処法になりそうです。

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