いつ、どこで、何がきっかけで発動するかわからないのがイヤイヤ期。今回のレポートでは、子どもたちのイヤイヤが、実際にどんな時にどんな場所で起こっているのかを徹底検証。その結果から、今の時代ならではのイヤイヤ期の悩みも見えてきました。
イヤイヤ発動率が最も高い
場所は、リビング!
まずは、子どものイヤイヤ発動場所についてママ・パパに聞いてみました。ズバリ!発動場所のベスト3は、「リビング」「食卓」「物販店」。ニュースや世間で注目されがちなのは、電車やバスなど公共交通機関の中ですが、イヤイヤの主戦場はリビングであるということが判明しました。
ランキングの傾向として、子どもがその場所にいる時間の長さと関連があるのではと考えられます。また、イヤイヤ期専門家の西村史子先生によるとリビング、食卓は、家ごとにルールがある空間でもあるため、ルールを守らせるときに反発されるケースがよくあるとのこと。このランキングを眺めているだけでも、子育ての大変さがひしひしと伝わってきます。
イヤイヤが発動して一番困る
場所は、物販店!
続いては、イヤイヤが発動して困る場所をランキング化。発動場所のトップのリビングは4位に後退し、1位、2位に飛び出したのが「物販店」「飲食店」のお店コンビ。家の中であれば、イヤイヤが収まるのを待つという手もありますが、お店の中だと買い物や食事が進まず、周囲の目も気になり、お店にも迷惑を掛けてしまう三重苦。せっかくの楽しいお出かけが修羅場化するのを恐れるママが多いようです。
イヤイヤ研・末富研究員の娘は、レストランでの食事中にお皿をカンカン叩いたり、店内を歩き回ったり、ご飯をほとんど食べなかったりと、イヤイヤパレードが頻発していたとのこと。物販店はまわりに迷惑をかけないよう、親がピリピリしていることも多いため、ランキング上位につながったようです。
なお、必死の抵抗が予想される「病院」は、意外にも8位という結果に。病院は、子どもが嫌がる場所として世の中の理解があり、周囲の目も比較的寛容なため、ママ・パパにプレッシャーがあまりかからないのかもしれません。また、最近の小児科は絵本やぬいぐるみが用意されているなど、子どもの気持ちをケアした待合室になっているのではという意見もありました。
静かにしてほしくて見せる動画が、
新たなイヤイヤの原因に!?
次は、シーン別のイヤイヤ発動率をランキング化。1位、2位は「お買い物中」「自宅で遊んでいる時」と続き、イヤイヤ発動場所とも相関する結果に。注目すべきは3位の「テレビや動画を観る/やめさせる時」。静かにしてほしくてテレビやスマホなどで見せる動画が、かえって新たなイヤイヤの原因になっているということが判明しました。
子どもの気分を変えるための手段が、次のイヤイヤを引き起こしている実情は、多くの家庭での新しい悩みの種になっているようです。専門家の西村先生に寄せられる相談のなかでも、テレビ・動画関連はかなり多いとのこと。特に動画サービスなどは連続再生機能があり、次々と動画が出て来ることに味をしめた子どもが、もっと見たいと主張することが多いようです。
お風呂のイヤイヤは、
入れるまでが最大の難関!
様々なイヤイヤシーンの中でも、よく聞くのがお風呂に関するイヤイヤ。入浴前・入浴中・入浴後のシーン別で比べると、イヤイヤが集中するのは圧倒的に入浴前。お風呂に入れるまでが、一番体力・気力を消耗することがわかりました。
入浴前は、お風呂に入りたくないと叫びながら逃げ回る子をやっと連行したところで、今度は絶対にパパとは入らないと主張し始めるなど、お風呂に入ろうとしない子どもとのバトルが大変との声がありました。また、濡れたら壊れるオモチャをお風呂に持っていこうと泣き出すケースも定番のようです。
そして入浴中も、ド定番のシャンプーイヤイヤに始まり、石鹸を自分で使うといって遊んでいるだけで、ちっとも体を洗っていなかったり、はじめは湯船に入りたくない! と嫌がっていた子どもが、最後には湯船での遊びに夢中になり出たくない! と泣き叫ぶパターンも。
さらに入浴後は、体を拭くのがイヤ! ドライヤーがイヤ! 水を飲むのがイヤ! と全ての過程でイヤイヤが続いている模様。浴室に入れてしまえばこっちのもの…が通用しない子に手を焼いているママ・パパが多いようです。
お着替えは朝、ハミガキは夜!?
続いて、時間帯によってイヤイヤ発動率に差が出るのか、お着替えとハミガキについて、朝・夜対決をしてみました。すると、お着替えは夜よりも朝の発動率が高く、ハミガキは朝よりも夜の発動率が高いという対照的な結果に。
お着替えは、夜はパジャマに着替えるだけである反面、朝は着替える枚数も多い上に時間の余裕もないため、焦るママ・パパに対してこだわりの主張をする子どもたちが激突する場面が目に浮かびます。林研究員の娘の場合は、靴下と靴の組み合わせが鬼門で、こだわりが爆発して何度も保育園に遅れかけたとか。
また、ハミガキに関しては、忙しい朝の時間帯は、ほどほどですましがちな傾向があり、その分、夜寝る前はママ・パパがしっかりと磨こうとするので、子どもたちのイヤイヤを引き起こしているようです。
え、こんな時にもイヤイヤが!?
その他にも「え、こんな時にも!?」と驚いたのが、発動率23.9%の「おやつ時」と発動率16.4%の「寝ている間」。子どもが大好きなおやつの時間でさえも、「違うお菓子が食べたい」「もっと食べたい」もしくは「遊んでいるから食べたくない」といった、様々なイヤイヤが発動しているようです。
また、寝ている間もイヤイヤするの? と不思議に思うかもしれませんが、お布団をかけた瞬間に蹴飛ばしたり、寝かしつけたと思ったら急に目覚めて食べ物を要求したりなど悩ましいものから、寝言でイヤイヤを言うといったかわいいものまでいろいろあるようです。イヤイヤ期の戦場は、起きた瞬間から寝るまでではなく、寝た後にもさらに続いていることが判明する結果となりました。
さて、今回の調査結果を通して、「あるある!」と共感できる結果から、「そうだったの!?」と驚きの結果まで、様々なイヤイヤ期の実態が見えてきました。みなさんのご家庭とくらべていかがでしたでしょうか?専門家曰く、イヤイヤ期は「子どもの個性」✕「親の感じ方」で大きく変わるため、自分の家庭が調査結果と異なる場合でも心配しなくて大丈夫とのこと。次回のイヤイヤ研の調査では子どもたちのより具体的なイヤイヤの内容を明らかにするとともに、その対処法に迫りたいと思います。どうぞご期待ください。
調査概要
- 調査1)
- イヤイヤ出現率調査
- 調査手法:
- インターネット調査
- 調査エリア:
- 全国
- 調査時期:
- 2017年9月
- 調査対象者:
- 0歳~5歳児を持つ男性・女性(N=9,250)
- 調査2)
- イヤイヤ実態調査
- 調査手法:
- インターネット調査
- 調査エリア:
- 全国
- 調査時期:
- 2017年9月
- 調査対象者:
- 0歳~5歳イヤイヤ期の子を持つ女性(N=1,200)※該当年齢の子が「イヤイヤ期」にあてはまると思うと回答した女性
イヤイヤ研は、次世代育児アイテム「ペチャット」と
博報堂こそだて家族研究所が共同で運営しています。
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