巷では「魔の2歳」とも呼ばれるイヤイヤ期。英語でも「Terrible Two」と言われるように「イヤイヤ期=2歳」が通説のようです。でも、本当に「2歳」だけなの? 実際のイヤイヤ期は、いつ始まり、いつ終わるのか。そんな疑問を解き明かします。
2人に1人が、
1歳半にイヤイヤスタート!?
0〜5歳の子どものいるママ・パパのうち「今、うちの子はイヤイヤ期」と答えた人の割合を集計。最初に解き明かすのは、「イヤイヤ期はいつ始まるのか?」という疑問。下のグラフの1歳後半に注目すると、実に56.8%の子どもがイヤイヤ期と認識されていることが判明。イヤイヤ期の始まりの目安は1歳半と言えるでしょう。
1歳半といえば、歩くスピードも早くなり、行動範囲が広がる時期。言葉の理解も進むため、心身の発達の中で自我の目覚めが始まるようです。イヤイヤ研・林研究員の娘も、よちよち歩きのマスターとともにオムツ交換絶対NG少女となり、おしっこをたっぷり抱えた芳醇なオムツで部屋中を徘徊していたそうです。
イヤイヤ期専門家の西村史子先生によると、イヤイヤ期の予兆は1歳よりも前に表れることが多いとのこと。使いたいおもちゃと違うものを親が持ってきたときに叩き落としたり、自分で取りたかったおもちゃを親に取られてしまって泣いたりといったもので、その頃は親もイヤイヤ期として認識していないことがほとんどのようです。
そして、1歳半を過ぎた頃から、ご飯の好き嫌いがでたり、外出先から帰りたがらなかったりと、本格的な自己主張とともにイヤイヤ期に突入していくのだそうです。
ピーク時でも、
4人に1人はイヤイヤしない!?
次に注目したのは、イヤイヤ期のピーク。トップは2歳前半の77.3%、次いで2歳後半の72.3%。さすが「魔の2歳」と言われるだけあって、2歳がイヤイヤ期のピークであることが実証されました。しかし、裏を返せば2歳であってもイヤイヤ期ではない子どもが、実に4人に1人もいることが判明。
4人に1人という数字は、わが子のイヤイヤ期に振り回された筆者にはにわかに信じがたいのですが、これは4人に1人、スーパー素直なお利口さんがいるということなのか、あるいはちょっとくらいのイヤイヤなんて全く気にしないという豪快ママ・パパがいるということなのか気になるところ。
筆者が聞いた話によると、ママと娘の価値観がたまたま一緒でイヤイヤが起こらなかったというケースもあるそう。服の選び方や食べ物の好みが合致すると、イヤな要素がないためにイヤイヤする場面が少なくなるようです。
専門家によると、イヤイヤ期は「子どもが持って生まれた個性」と「親の感じ方」で捉え方が大きく変わるようで、どの子どもにもイヤイヤ期は訪れているとのこと。イヤイヤ期が来ないことを心配するママ・パパの声も時々聞きますが、子どもは確実に成長を重ねているので、特に心配する必要はないそうです。
5歳になっても、
4人に1人がイヤイヤ期!?
最後に「イヤイヤ期はいつ終わるのか?」という、おそらく読者の皆さまが最も気なっている疑問に迫りたいと思います。ということで、グラフを見てみると…。なんということでしょう!5歳になってもおよそ4人に1人がイヤイヤ期と認識されているではありませんか!
専門家によると、5歳児は言語能力も発達しているので、大人のような口論をするようになり、説き伏せられないママ・パパも出てくるようです。やってはいけないことはわかっているけど、やりたいという気持ちがあり、葛藤しているという感じなので、気持ちを丁寧に聞いてあげることがとても重要だそうです。
また、子どものイヤイヤ期の期間は、2年程度が目安だそう。子どもは、月日を重ねながら通用するワガママの範囲を理解しておとなしくなっていき、親もイヤイヤに慣れていくことで、イヤイヤ期が完結する模様です。
さらに、気になるところとして、イヤイヤ期を早く切り上げるコツはあるのかを専門家に聞いてみると、子どもがイヤイヤしたときに、対話を重ねながらママ・パパの要望を伝え、気持ちの切り替えを子どもにさせることがポイントとのこと。そのときに「約束ごとをメモにして壁に貼る」というのも効果的だそうです。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
調査概要
- 調査1)
- イヤイヤ出現率調査
- 調査手法:
- インターネット調査
- 調査エリア:
- 全国
- 調査時期:
- 2017年9月
- 調査対象者:
- 0歳~5歳児を持つ男性・女性(N=9,250)
- 調査2)
- イヤイヤ実態調査
- 調査手法:
- インターネット調査
- 調査エリア:
- 全国
- 調査時期:
- 2017年9月
- 調査対象者:
- 0歳~5歳イヤイヤ期の子を持つ女性(N=1,200)※該当年齢の子が「イヤイヤ期」にあてはまると思うと回答した女性
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